カンチャナブリー市街

大東亜戦争におけるバンコク・カンチャナブリーの歴史
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カンチャナブリー市街の戦跡一覧

クウェー川鉄橋

映画「戦場にかける橋」(1957年:英)の舞台として有名となった「クウェー川鉄橋」である。

大東亜戦争中、ビルマ戦線への補給路としてバンコク郊外のノーン・プラドゥックとビルマ(現ミャンマー)のタンビュッザヤを結ぶ全長約415kmの泰緬鉄道が建設された。戦後ビルマ側とタイ側の一部は廃線となった。現在の終着駅はナム・トク駅である。

カンチャナブリーを流れるクウェー川は急流で川幅も広いため難工事となったが、昭和18年(1943年)5月に完成した。旧来の川の名称は「メークロン川」であったが、映画で「クウェー川」との名称で有名になったためクウェー川に改称された。

鉄橋は歩いて対岸まで渡ることができる。手すりや落下防止用の網などもなく、踏み外すと川へ落下してしまうので注意が必要である。

「クウェー川鉄橋」はしばしば連合軍の爆撃を受けたが、昭和19年(1944年)2月から6月にかけての爆撃で大きく破壊された。戦後5年ほど使用不能となっていたが、昭和25年(1950年)に日本の手によって修復された。丸いスパンがオリジナルで、台形のスパンが修復された部分である。

鉄橋の両側にはところどころ退避用のスペースが設けられており、間近で通過してゆく列車を見ることができる。

映画を観てからこの場所を訪れると、より当時への想像が広がるだろう。ただし、作中でのイギリス人捕虜が「クウェー川鉄橋」を設計した、というストーリーは演出であり、実際は日本の鉄道連隊が設計し、捕虜は単純作業に従事していたという違いがある。映画はエンターテイメントと割り切って観る必要があるだろう。

作業は過酷であり、多くの死者が出た。鉄橋の手前にはアメリカが建てた記念碑がある。

「クウェー川鉄橋」の歩き方
カンチャナブリー駅からナム・トク方面へ3kmほどのところに「クウェー川鉄橋駅」がある。「クウェー川鉄橋」は駅のすぐ西側(ナム・トク方面)である。

17:41のナム・トク行きの最終便(2009年現在)が通過したあとは橋は閉鎖されてしまう。歩いて渡ってみたい人はそれまでに行くのがよいだろう。

クウェー川鉄橋駅

「クウェー川鉄橋」のすぐ東側(バンコク方面)は「クウェー川鉄橋」駅がある。付近では夕方になると屋台が立ち並び、賑わいをみせる。

駅の前には蒸気機関車2両が静態保存されている。こちらは戦後イギリスから運ばれてきたものである。

こちらは日本から運ばれて戦時中に運行されていたC56形23号である。C56型は軽量小型でありながら長距離の運用に耐えられる設計であったため軍部に注目され、製造された160両のうち90両がタイ・ビルマへと出征した。

連合軍の攻撃や状態の悪い橋上での転落事故などもあり、大破した車両も多数合った。戦後、泰緬鉄道が復旧したあと、運転可能なC56形46両はタイ国鉄700系(701-746)として1980年ごろまで使用された。車体の側面と前面には「719」とのナンバーが描かれている。

近くに記念碑が建てられている。元軍属・機関士であった佐々木一平氏と鉄道建設関係者有志がこの機関車を遺した、と記されている。

こちらは貨車のようである。説明はなく、詳細不明である。

「クウェー川鉄橋駅」の歩き方
カンチャナブリー駅からナム・トク方面へ3kmほどのところが「クウェー川鉄橋駅」である。

「クウェー川鉄橋」は駅のすぐ西側(ナム・トク方面)である。

第二次世界大戦博物館(WORLD WAR II MUSEUM)

宝石商で財をなしたチャンスィリー家が個人として建設、管理している博物館である。

武器類・装備品・車両の収蔵点数はかなり多い。詳細な説明のないものが多いが、個人でこれほどまでの量を収集したのは驚きである。

「クウェー川鉄橋」は建設にあたって、まず資材運搬用の木製橋が少し下流に建設された。「第二次世界大戦博物館(WORLD WAR II MUSEUM)」はこの木造橋があったところに建設されており、現在も木造橋の残骸が残っている。

博物館前には機関車が展示されている。

展示内容詳細
・木造橋
・武器類
・装備品
・車両

「第二次世界大戦博物館(WORLD WAR II MUSEUM)」の展示内容
木造橋鉄橋建設前に先立って建設された木造橋の残骸である。クウェー川は急流で鉄橋建設が難航したため、まず資材運搬用の木造橋が建設され昭和17年(1942年)12月に完成した。鉄橋の完成は翌年の5月に完成したが、その後も木造橋は残された。しかし...

「第二次世界大戦博物館(WORLD WAR II MUSEUM)」の歩き方
「クウェー川鉄橋」のすぐ近くである。「クウェー川鉄橋」と「クウェー川鉄橋駅」の間のMaenamkwai Rd.を100mほど南東(カンチャナブリー駅方面)に行った右手にある。

通りから蒸気機関車が見えるので目印になるだろう。

泰緬鉄道博物館(THAILAND-BURMA RAILWAY CENTER)

他の博物館と同じく泰緬鉄道に関する資料館であるが、各種統計や資料を分かりやすくパネル展示しているのが特徴である。2階はカフェとなっており、窓から正面にきれいに整備された「連合軍共同墓地」を眺めることができる。

工事の模様のジオラマや連合軍捕虜の所持品なども展示されている。

展示内容詳細はこちら
・鉄道建設関連資料
・誘導爆弾

「泰緬鉄道博物館(THAILAND-BURMA RAILWAY CENTER)」の展示内容
鉄道建設関連資料レールを枕木に固定するための「犬釘」である。全長415kmの泰緬鉄道の各地から集められた犬釘が元々使われていた場所とともに一本の枕木に打ち付けられている。金の犬釘である。鉄道完成の記念に儀礼的に作られたもののようである。泰緬...

「泰緬鉄道博物館(THAILAND-BURMA RAILWAY CENTER)」の歩き方
カンチャナブリー駅から近い。駅のすぐ南西(「クウェー川」方面)に走っている大通りのSangchuto Rd.に出る。Sangchuto Rd.に出たら通りの南西側(「クウェー川」方面)に緑の広場があるが、これが「連合軍共同墓地」である。

「泰緬鉄道博物館(THAILAND-BURMA RAILWAY CENTER)」は「連合軍共同墓地」の北西に隣接している。

連合軍共同墓地(KANCHANABURI ALLIED WAR CEMETERY)

泰緬鉄道建設に従事して死亡した連合軍兵士が眠る共同墓地である。過酷な労働で斃れた捕虜は多く、「枕木一本、人柱一本」と言われるほどであった。

6982柱の霊が眠る墓地内は手入れが行き届き、一面緑の芝生の中に美しい花があちこちに咲き乱れている。正面中央には慰霊塔がある。

地区は国ごとに分かれており、正面入り口を入って右側はイギリス、左側手前はオーストラリア、左側奥がオランダとなっている。捕虜の中で最も多かったのはシンガポール攻略戦において数万人規模で降伏した英兵であり、死者も英兵が最も多かった。

墓碑には氏名、死亡日時のほか、それぞれに贈る言葉が刻まれている。

「連合軍共同墓地(KANCHANABURI ALLIED WAR CEMETERY)」の歩き方
カンチャナブリー駅から近い。駅のすぐ南西(「クウェー川」方面)に走っている大通りのSangchuto Rd.に出る。Sangchuto Rd.に出たら通りの南西側(「クウェー川」方面)に緑の広場があるが、これが「連合軍共同墓地」である。

なお、Sangchuto Rd.にはソンテウがたくさん走っている。バスターミナルからSangchuto Rd.に出てから右手(北西)へ走るソンテウに乗ってもよいだろう。「連合軍共同墓地」は大きいので正確な場所を知らなくてもすぐに分かるだろう。

JEATH戦争博物館(JEATH WAR MUSEUM)

「クウェー川」に面する泰緬鉄道の博物館である。ワット・チャイチュンポン(寺院)の敷地内にあり、僧によって管理されている。捕虜収容所を再現すべく、建物は竹で作られている。

当時の写真展示がメインである。

「JEATH」とは、Japan、England、Australia、Thai、Hollandの頭文字を取ったものであり、「DEATH」=「死」の鉄道、をもじっている。

数は多くないが、武器・爆弾なども展示されている。

当時の工具類や遺品類である。

展示内容詳細
・鉄道建設関連
・武器類
・永瀬隆像

「JEATH戦争博物館(JEATH WAR MUSEUM)」の展示内容
鉄道建設関連バンコクから当時のビルマへ至る泰緬鉄道の路線図である。カンチャナブリー北西約80kmにヘルファイア・パスという場所がある。ヘルファイア・パスの当時の写真である。現在鉄道はミャンマーまでは通じておらず、線路は現在一部観光用を残して...

「JEATH戦争博物館(JEATH WAR MUSEUM)」の歩き方
バスターミナルから西(「クウェー川」方面)へ200mほど歩くとSangchuto Rd.という大通りがあるので、ここを左折(南へ)する。500mほどのところにあるKam Pang Moeng Rd.を右折する。400mほどで突き当たりに出るが、ここが博物館入り口となっている。博物館のすぐ裏手は「クウェー川」である。

入場料:30B
休館日:なし
開館時間:08:30-18:00
(2009年現在)

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