ハガニア(Hagatna)周辺

大東亜戦争におけるグアム島の歴史
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ハガニア(Hagatna)周辺の戦跡一覧

オンワード・ビーチ・ホテルの短二十糎砲

オンワード・ビーチ・ホテルの短二十糎砲オンワード・ビーチ・ホテルの短二十糎砲オンワード・ビーチ・ホテルのプールサイドに2門の「二十糎砲」が遺されている。

「短二十糎砲」は昭和18年(1943年)に日本海軍によって商船の自衛用火砲として開発された。その用途は主に対潜水艦であったと考える。また、戦争後期には太平洋方面の島嶼部の沿岸砲としても多く配備された。

最大射高は3500m(仰角75°)であった。対潜水艦射撃は、海面に向かって砲弾を山なりに発射(曲射)し、時限信管等によって海中で炸裂させて制圧した。

オンワード・ビーチ・ホテルの短二十糎砲オンワード・ビーチ・ホテルの短二十糎砲本砲は戦後50年間腐食するままに放置されていたが、平成4年(1992年)にレストアされてオンワード・ビーチ・ホテルに展示されている。

プールサイドの右側に展示された1門は目立つ。

プールサイドの左側にももう1門展示されている。こちらは草木が生い茂っており、よく見ないと気づかない。

「オンワード・ビーチ・ホテルの短二十糎砲」の歩き方
ハガニア湾のオンワード・ビーチ・ホテルのプールサイドに2門展示されている。

タモン地区からは1号線を南西に向かう。
Gov Carlos G-Camacho Rdを右折して1kmほどいったところの左手にオンワード・ビーチ・ホテルがある。

ホテルのフロントを抜けて海側に出たところがプールサイドとなっている。

米軍墓地

ハガニア地区には「米軍墓地」があり、米西戦争からベトナム戦争までの戦没者が祀られている。

白いシンプルな墓標に名前の他、所属や戦死日時が刻まれている。

米軍墓地米軍墓地1号線を挟んでこの「米軍墓地」の反対側にも「墓地」がある。この「墓地」の奥の崖に「防空壕」らしき穴が見える。

この付近の崖には、米軍上陸前に日本軍が掘った「防空壕」が多数遺されているそうである。これもその一つであろう。私有地であるためか、壕の手前に柵が設けられており、近づくことはできない。

「米軍墓地」の歩き方
米軍墓地タモン地区からは1号線から南西へ。

ハガニア地区の8号線とのT字路の少し手前の右手側が「米軍墓地」である。

「防空壕」はその反対側の「墓地」の奥に見える。

ハガニアのトーチカ

ハガニアのパセオ・デ・サスナ(公園)は海に突き出た岬にあり、この岬の左側に「トーチカ」が遺されている。

陸地側に入口があり、中に入ることができる。

この辺りは米軍が上陸した「アサン湾」からは3kmほどと近いが、大きな損傷は見られない。米軍上陸後に放棄され、直接的な戦闘を行っていないのであろうか。

大きい銃眼が3方向に向いている。そのうちの右端の銃眼はほぼ陸地側(岬先端方向)を向いており、敵が上陸した後も射撃できるように設計されたものかも知れない。

内部には支柱があり、ゴミが散乱している。

入って右奥の銃眼が海側の正面となる。ここには重機関銃を設置するためと思われる台座が設けられている。

銃眼から外を覗くと、正面に陸地が見える。
これは戦後に作られたヨットハーバーのための防波堤である。

「トーチカ」の後面、入口の脇に5cm×15cmほどの小さな穴が開けられている。小銃用か、あるいは外の様子を見るためのものであろうか。

「ハガニアのトーチカ」の歩き方
タモン地区からは1号線を南西へ。

ハガニアのロータリー(大酋長キプハの像)を超えて300mほどの路地に右折して入る。

右折してから300mほど路地を行くと、左手に「トーチカ」がある。道沿いには「トーチカ」の場所を示す緑の看板が設置されている。

スペイン広場

1736年から1898年にかけてスペイン総督邸の置かれていた一帯が「スペイン広場」である。社交場であった「チョコレート・ハウス」や武器庫の門であった「アマルセンのアーチ」などがスペイン時代を想起させる。

写真の大砲はレプリカである。

1898年の米西戦争後、スペイン総督邸は米国による統治本部、海軍総督の住居として使用された。現在はアゾテアと呼ばれるテラス部分のみが遺されている。

説明板には当時の写真が展示されている。

開戦前、 米国は日本領の島に囲まれたグアム島の守備をほぼ諦めて少数の守備隊しか配置していなかった。
そのため、昭和16年(1941年)12月10日、日本軍がハガニアに上陸したとき、戦闘は一日で終了した。

現在のテラスには屋根が設置されているが、これは戦後に加えられたものである。

守備隊長のジョージ・J・マクミリン海軍大佐はこの「スペイン広」場で日本軍に降伏し、グアム島を明け渡した。 その後、総督邸は日本軍の軍政本部となった。

しかし、総督邸の建物部分は昭和19年(1944年)7月の米軍上陸の際の砲爆撃で破壊された。

現在は建物の基礎の一部が遺されている。

「スペイン広場」の歩き方
タモン地区からは1号線をハガニア方面へ。

ハガニアのロータリー(大酋長キプハの像)で左折し、4号線へ入る。

ロータリーから300mほどのところにあるChalan Santo Papa Juan Pablo Dos通りを右折して300mほどのところの左手が「スペイン広場」である。

ラッテストーン公園

「スペイン広場」のすぐ南側の「ラッテストーン公園」内に「防空壕」が遺されている。

ラッテストーンとはコケシ状の石柱であり、「公園」内に南部のフィナ湖で発掘されたものが移設されている。古代チャモロ人の巨石文化の象徴と言われているが、建造の目的は未だ明らかにはなっていない。

ラッテストーンから少し右手(西側)の崖に日本軍が掘った「防空壕」が遺されている。

入口には黄色い柵が設けられているが、開放されている。

入口の上には「防空壕」の文字が読み取れる。

グアム島の多くの他の防空壕は、米軍上陸前に資材不足の中コンクリートを使わずに岩盤むき出しで急造したものであり、それらと比べるとかなり立派である。また、日本軍の軍政本部として使われていた「スペイン広場」から至近の距離である。

建設された時期は不明であるが、これらを考慮すると、この壕は資材に余裕のあった占領当初に作られたものではないだろうか。

天井には通風孔のようなものが設けられている。

入口は複数ある。入口から光が多少差し込むが、内部は暗い。

「ラッテストーン公園」の歩き方
タモン地区からは1号線をハガニア方面へ。

ハガニアのロータリー(大酋長キプハの像)で左折し、4号線へ入る。

ロータリーから500mほどのところにある33号線を右折する。
200mほどでT字路があるが、ここの角(左前)にラッテストーンがある。

ラッテストーンから100mほど行った左手に「防空壕」が遺されている。

アプガン砦

アプガン砦は1671年にグアム島を統治していたスペイン総督によって造られた砦である。スペイン総督邸のあるハガニアの裏手の丘にあり、丘から敵が攻め入るのを防ぐために築かれた。

19世紀後半には既に無用の長物となってしまっていたが、スペイン人はその後もこの砦を軍用倉庫として使っていたようである。

米西戦争の後、米国領になったあと、米海軍はこの砦を通信所として活用した。砦の上の砲台はメキシコで造られたレプリカである。

日本軍がグアムを占領したのち、この砦は砲床に転換された。戦後、当初のスペイン時代の砦の姿で再建されて公園となった。

砦が再建されるとき、元の石材が使われた。砦の手前には階段が設置されているが、この階段の右側に日本語が掘られた石が埋め込まれている。

階段を上がりきる少し手前のところである。

石には上側に「上」、右側に「警備隊」の文字が読み取れる。

左側にも3文字程度の漢字のようなものが刻まれているが、削れてしまって何と書いてあるかは読みとれない。

「アプガン砦」の歩き方
タモン地区からは1号線をハガニア方面へ。

ハガニアのロータリー(大酋長キプハの像)で左折し、4号線へ入る。

ロータリーから500mほどのところにある33号線を右折する。200mほどでT字路があるが、ここを左折する。

また200mほどでT字路がでてくるが、ここを右折する(7号線へ)。200mほどいった右手に入口があり、「FORT SANTA AGUEDA」(アプガン砦の別名)の看板が見える。

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