マニラ市街の戦跡一覧
ネルソンタワー
敗色が濃厚となった昭和19年(1944年)、山下奉文将軍は第十四方面軍司令官として起用され、フィリピンの防衛戦を指揮することとなった。山下将軍が着任するときに降り立ったネルソン飛行場の管制塔として使われていた「ネルソンタワー」である。正面玄関は屋根のついた車止めとなっている。
現在では飛行場は廃止され、管制塔の建物は資料館として利用されている。正面玄関の脇には、「ネルソンタワー」に関する内容のプレートが英語、フィリピン語でそれぞれ左右に設置されている。
プレートによると、明治29年(1896年)のフィリピン革命の記念にアヤラ財閥によって図書館として建設され、戦争中に管制塔として使用されたあと、昭和49年(1974年)に博物館となったそうである。
正面右手側は駐車場となっており、建物の裏側へ回り込むことができる。建物の裏側の壁面には「MANILA INTERNATIONAL AIR TERMINA」”と書かれている。建物は二階建てであり、二階部分は一周ぐるっと窓になっており、離着陸する飛行機が良く見えたことであろう。
1階部分は旅客ターミナルであったが、日本軍占領後は司令部として使われた。
ネルソン飛行場は終戦後の1946年に施設が修復されて民間国際空港となったが、1948年に移転にのため廃止された。
飛行場の滑走路は、現在「Ayala Ave.」と「Paseo de Roxas」通りとなっている。周囲は完全に都市化されており、滑走路跡のようなものは全く残っていない。
滑走路跡が戦後にそのまま広い直線道路として利用されるケースは多い。「Ayala Ave.」は8車線の大きな直線道路である。
「ネルソンタワー」の歩き方
ビジネス、高級ホテル街であるマカティ地区にある。ペニンシュラ・マニラというホテルの道を挟んだ反対側である。
MRTのAyala駅が至近である。駅からEpifanio Delos Santos Ave.を北東へ。200mほどのところのAyala Ave.で左折する。左折してから700mほどのところにMakati Ave.との大きい交差点がある。「ネルソンタワー」はこの交差点の北東にある。
なお、「ネルソンタワー」の北側はAyala Triangle Gardensという公園になっている。
フィリピン空軍博物館(Philippine Air Force Museum)
ニノイ・アキノ国際空港の敷地北側に隣接するVillamor空軍基地内のフィリピン空軍博物館である。フィリピン空軍に関する展示が中心である。
展示は館内展示と屋外展示からなる。屋外展示ではフィリピン空軍を退役したレシプロ機、ジェット機、ヘリコプターなどが展示されている。
館内展示の中でひときわ目を引くのが小野田寛郎少尉に関する展示である。小野田少尉はルバング島で終戦を知らずに30年間戦い続けたあと、日本への帰国を果たした。小野田少尉が使っていた小銃や生活用品などが展示されている。
銃器の展示では米軍のものが多いが、「九二式重機関銃」や「九六式軽機関銃」なども展示されている。
展示内容詳細
小野田寛郎少尉関連展示
・ルバング島での戦い
・日本への帰還
館内展示
・九二式重機関銃
・小銃
・砲弾類
・九六式軽機関銃
・十四年式自動拳銃
・九四式拳銃
・その他拳銃
・ジオラマ
・P-51D(マスタング)
・その他館内展示
屋外展示
・YS-11A
・C-47(スカイトレイン)
・練習機
・その他屋外展示
「フィリピン空軍博物館(Philippine Air Force Museum)」の歩き方
ニノイ・アキノ国際空港の北側にある。国内線用である第3ターミナルからは徒歩10分ほどである。
第3ターミナルからはAndrews Ave.を南西へ。Andrews Ave.は左へカーブしていくが、ここの突き当たりにVillamor空軍基地のゲートがある。
ゲートの左側に詰所があるので、ここで博物館を見学したい旨を申し出る。パスポートを提出すると、交換で入場許可証をもらえるので、これを首からかけて入場する。なお、パスポートは帰りに入場許可証と交換で返してもらえる。
ゲートを通ってすぐ右側に博物館入口がある。右側に行くと博物館の館内への入口が、左側に行くと屋外展示場がある。入場料は博物館建物に入ってすぐのところの受付で支払う。
入場料:20ペソ
開放時間:08:00-12:00、13:00-17:00
(月~金曜日)、08:00-12:00(土曜日)
休館日:日曜日
(2011年現在)